時事問題著者:茶山警備業

-EP.32- 雑踏警備について

1.はじめに

 10月27日は金沢市内を会場にして、「金沢マラソン2024」が開催されましたが、石川県警備業協会加盟社はこのイベントに対して共同企業体警備本部を立ち上げ、会場および周辺での雑踏警備を実施し、ランナーや沿道応援者、大会関係者等の安全確保に努めました。当社からも、この警備に3名の方が従事され、西部緑地公園内の産業展示館2号館先での警備にあたり、終盤の降雨にも負けず無事任務を完了しました。大変ご苦労様でした。
 今回は、標記について取り上げました。

2.雑踏警備を取り巻く環境について

 (1)警備業法上の区分など
 警備業法では警備業務を、態様別に1号から4号までの種別に区分しており、雑踏警備は、交通誘導業務とともに2号警備と定めております。任務は、初詣やコンサート会場、花火大会、マラソン大会の沿道等不特定多数人が集まる場所において、人又は車による事故を未然に防止することなどです。

 (2)過去の雑踏事故発生状況事例について
 ア.明石歩道橋事故
 平成13年7月21日20時30分ころ、兵庫県明石市の花火大会会場と最寄り駅を結ぶ歩道橋で、見物客が交錯し、群集雪崩が起きて11名が死亡、重軽傷者247人に上る大惨事が発生しました。
 なお、この事故が、以後の警察における雑踏警備防止対策の強化に繋がっている。

 イ.韓国ソウル将棋倒し事故
 令和4年10月29日22時15分ころ、韓国ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で、ハロウィーンを前に集まった群集が、道路幅の狭い坂道で将棋倒しになる事故が発生し、153人死亡133人が重軽傷を負う大惨事が発生しました。
 

3.おわりに

 前記ソウルの雑踏事故は、日本人女性らも被害者になっており、国内でも大変注目されることとなり、全国各地で、この時期の雑踏事故防止対策が強化されています。
 特に、東京・渋谷では、渋谷区長が、令和5年10月5日に「ハロウィーン目的で渋谷に来ないで欲しい。」と呼びかけ、「路上飲酒禁止条例」を制定し、ハチ公像の臨時封鎖を行ったところであります。

担当:茶山顧問