季節たより時事問題著者:茶山

-EP.36- 入社式と新入社員について

1.はじめに

 この4月中は、テレビや新聞報道等で学業を終えた多くの若い人が、企業の入社式に臨む様子が伝えられました。少子高齢化が進む社会の中で、新しい働き手が増えることは大変喜ばしいことであります。今回は、新入社員を取り巻く労働環境等を取り上げました。

2.入社式と新入社員の雇用環境等について

 国内の企業の多くが実施する「入社式」ですが、欧米系の企業では、あまり行われないと言った話を聞いたことがあります。理由は、雇用する時期がバラバラ、つまり、入社時期が異なるのが当たり前で、中途採用が多いことや、もし採用しても、その会社に長く務めることを想定していないからだそうです。
 私たちの周りでも、せっかく入社式を行い、将来を嘱望して採用した人逹が、1~2年で退職・転職されるという現実を見てきましたが、社員の定着に向けた取組み施策に特効薬は無いと言うのが現状です。欧米企業の中途退職想定の採用は、合理的なのかも知れません。
 参考ですが、本年4月23日付の北國新聞朝刊の一面に、「北陸三県の主要155社にアンケート調査した結果、社内の人員に不足感あると答えた企業が101社、実に3社に2社(65.2%)が不足しているとの回答があった。原因として、新卒社員の早期離職も挙がり、人材確保とその定着化に、各企業が苦労していることが浮き彫りとなっている。」と報じています。

3.おわりに

 今春も企業側では、優秀な新卒社員の獲得や早期退職・転職を防止の為、前年よりも初任給をアップしたり、福利厚生面の充実を図る等の措置を講じています。
 これまでに採用した社員が、退職、転職の理由として挙げる「会社の将来性に不安」や「与えられた業務に自分の能力が発揮できない。」等をクリアするための当社の諸施策の中には、各自も参加し、解決できる課題も多く含んでいますので関心を持って見て頂きたいと思います。
 なお、来月のゴールデンウィーク明けころからは、一般に「5月病」にかかりやすい時期になると言われます。新しい生活環境に適応できないために起こる心身の不調を、「5月病」と呼びこの時期に、社員が転職・退職する事例も多くあるとのことですから、私たちも周囲の人との良好な人間関係の中で、報告、連絡、相談を徹底し、「5月病」の防止に配意しましょう。

担当:茶山顧問