仕事の流儀著者:茶山

-EP.39- 職場におけるヒューマンエラーの防止について

1.はじめに

 この6月中は、各地で記録的な猛暑日が続きました。今月に入っても収まる気配はありません。気象情報会社ウェザーニュースの7月から9月までの天気予報では、金沢は外気温が30度以上の真夏日が58日(猛暑日10日)、熱帯夜32日と発表しております。
 職場内でも熱中症の防止や体調管理に十分注意を要する期間になります。この期間、暑さが原因の過労や注意力の低下などもあって、労災事故が発生しやすい環境となることから注意が必要です。
 人間はミスをする生き物などと言われますが、どんな職場でもヒューマンエラーが起こる可能性があり、事前の想定、対処力が求められる課題であることから、今回は標記の件について取り上げました。

2.「ヒューマンエラー」について

 (1)ヒューマンエラーの意味 
 ヒューマンエラーとは、人間に起因する誤り、つまり、人の不注意や判断ミスにより、意図せずに発生する事故や失敗のことを言います。具体的には、会社目標等に対して、「期待される行為をしなかった。」又は「期待されない行為をした。」ことにより、達成目標と違う結果を生じたことと、当事者には達成目標と違う結果になる意図がなかった場合に成立します。
 注意したいのは、わざとミスする場合、他者の財産等に対する加害目的が疑われ、ヒューマンエラーではなく、違反(犯罪)に該当することになります。
 なお、ヒューマンエラーは次の種類に分けて検討されています。

 (2)種類
 ア.ついつい・うっかり型
 記憶できない、思い出せない等の「記憶エラー」や見落し、見間違え、聞き違い等の「認知エラー」、現状や今後取るべき対応に対する判断を間違える「判断エラー」及び取るべき方法や手段を間違える「行動エラー」などを総称。
 認知エラーでは、見ても意識に留めないケースや、判断エラーでは、自己体験からくる先入観による固定的な観念、自己判断は正しいという思い込み等が問題視されています。

 イ.あえて型
 意図的にあえて手抜きするエラー、決まりを守らない横着なエラー、危険性が分かっていながら、あえて危険性のあることをやってしまうエラーを総称。
  
 (3)対策
 ヒューマンエラーが発生する原因には
 ・本人の無知や不慣れ、不注意 ・社内の連絡不足 ・管理チエック機能低下
 等のほか、勤務環境や職場の雰囲気、過大な業務負担など背景に種々の要因が考えられており一般的な対策として
 ・社員教育の再徹底 ・マニュアルの整備 ・事例の共有 
 ・管理体制の点検 ・風通しの良い職場つくり ・良好な職場環境つくり
 などが効果的とされています。(この項ネット情報による)

3.おわりに

 ヒューマンエラーは、近年の企業では、当事者に対するペナルティーは課さない流れにありますが、人命に関わるミスや、会社組織全体の信頼に直結するミス等の大きな問題を含んでいることに各自が留意し、平素の業務の中で、絶無を心がける努力を継続することが必要です。

担当:茶山顧問