-EP.40- 熱中症対策について
1.はじめに
暑中お見舞い申し上げます。
今夏は、全国各地で気温が35度を超える猛暑日を含み連日30度を超える真夏日が続いております。気象庁から、熱中症警戒アラートが発表され労働環境は大変厳しい状況にあります。
今回は、本年6月1日に施行された「労働安全衛生規則一部改正」(以下、改正規則という。)で示された事業者の熱中症対策義務化について取り上げました。
2.改正規則について
(1)趣旨
熱中症のおそれがある労働者を早期に発見し、状況に応じて迅速かつ適切に対処することにより、熱中症の重篤化を防止するため新たに
ア.職場内の体制整備 イ.手順の作成 ウ.関係者への周知
を事業者に義務付けた。
(2)改正規則第612条の2(熱中症を生ずるおそれのある作業)の内容
ア.暑熱な場所において連続して行われる作業等熱中症を生じるおそれのある作業を行うときは、あらかじめ、当該作業者が「熱中症の自覚症状を有する場合」又は当該作業に従事する者に熱中症が生じた疑いがあることを、「当該作業に従事する他の者」が発見した場合にその旨の報告をさせる体制を整備し、当該作業に従事する者に対し当該体制を周知させなければならない。
※要約
「熱中症の自覚症状がある作業者」や「熱中症の疑いがある作業者を見つけた者」がその旨を報告するための体制を整備し、関係作業者にこの体制を周知しておくことを義務付けた
イ.暑熱な場所において連続して行われる作業等熱中症を生じるおそれのある作業を行うときは、あらかじめ、作業場ごとに
・当該作業からの離脱 ・身体の冷却 ・必要に応じて医師の診察又は処置を受けさせること
・その他熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置の内容及びその実施に関する手順を定め、当該作業に従事する者に対し、当該措置の内容及びその実施に関する手順を周知させなければならない。
(3)対象となる作業
WBGT(暑さ指数)28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間を超えて実施が見込まれる作業
3.おわりに
熱中症対策は、当事者からの症状報告を待って把握して対処するばかりではなく、平素の職場内で育む良好な人間関係の下で、どんな作業現場であっても、作業仲間の異変には早期に気付き、早期に対処するという心構えが必要と思います。
担当:茶山顧問