時事問題著者:茶山警備業

-EP.42- 大阪・関西万博の閉幕から

1.はじめに

 大阪市此花区の人工島「夢洲」を会場に開催された標記万博は、今年4月13日に開幕し10月13日をもって、大きな事件・事故の発生も見ず無亊に閉幕しました。
 会期184日間中、世界158の国と地域、国内企業が参加し、約2千550万人の来場があったと報じられましたが、このイベントに、警備業も警察、消防機関等とともに会場の安全・安心確保に大きく貢献しております。

2.万国博覧会(万博)について

 2025年日本国際博覧会の公式略称として、「大阪・関西万博」が採用され、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに運営されました。大阪で55年ぶりに開催されたこの祭典の背景には、世界に甚大な被害を与えた新型コロナを乗り越えた先の、新たな時代に向けた国家プロジェクトとしての位置付けや、経済効果への期待がありました。会場施設では、世界最大級の木造建築で空中回廊式の「大屋根リング」も話題になりましたが、これに使用された木材の一部が、閉幕後には能登復興に向けた仮設住宅建築に再利用される運びになっているとの報道もありました。
 なお、経済効果について、運営費収支は230億円から280億円の黒字が見込まれると報じられ、こちらの面でも成功したと評価されています。

3.会場警備体制について

 (1)大阪府警備業協会では、この世界が注目するイベントに対して、警備業3社で警備共同企業体を構成し、次の4隊に編成、協会の危機管理センターと連携しながら各々の業務を行いました。
 ①施設警備隊   … 博覧会協会施設を中心に24時間体制で警備
 ②イベント警備隊 … 会期中のイベントに対応
 ③ゲート警備隊  … 会場の東西に設置されたゲートで、来場者の手荷物検査等対応
 ④会場警備隊   … 開場時間帯の会場内パブリックスペースの警備等対応

 (2)実働警備員は、1日に約1千人を超え、ドローンやセキュリティロボット、IOTなどの技術を活用した人とⅮⅩの協調による警備を、世界に示す場となり、また、多くの来場者から、感謝や労いの言葉が寄せられるなど所期の目的を達成して体制を解散しました。

4.おわりに

 大阪・関西万博では、国を超えて多くの出会いや交流があり、文化や人種は多様でありながら、ひとつという共生の価値観は、共有されたと国内外から高く評価されています。13日の閉会式で、石破首相は「分断より連帯、対立より寛容を大切に、皆の心を一つにして多くの方々に満足いただける素晴らしい博覧会をつくりあげることができた。」と述べ、吉村大阪府知事も「6か月間、世界が一つになった。」と謝辞を述べました。 
 このイベントの精神が、世界各国に理解され受け入れられて、早く戦争とか紛争のない世界になって欲しいと願います。

担当:茶山顧問