-EP.43- 施設の出入り管理について
1.はじめに
今年も残すところわずかとなりましたが、この1年を振り返りますと、会社業績は着実に売上げの向上を見るなど一定の成果を上げることができました。各位の日々誠実でこつこつと積み上げたご努力の賜物と思いそのご労苦に敬意と感謝を申し上げます。
今回は、情報の管理も含めて標記について取り上げました。
2.施設の出入り管理について
(1)意義
警備業が請け負う施設の出入り管理は、施設警備業務(1号業務)と呼び、他の交通誘導業務(2号業務)などとは区分されています。具体的な実施形態は、対象施設の種類等に応じ、それぞれ異なった業務ですが、いずれも依頼者の所有権、賃借権等から生じる管理権を、民事契約に基づいて警備業者(実際は警備員)が代行して、当該施設における事故の発生を警戒し、防止する業務です。他方、警備契約のない会社施設が行う自社警備は、当該社の社員がその業務を担うものであり、業務内容では、各種事故等の警戒・防止であり共通事項となります。
(2)出入り管理の重要性
出入り管理は、施設(会社)において、人、物、車両等の出入りをチエックすることによって「いつ」、「だれが」、「どこに」出入りしたのかを管理し、当該施設内の各種情報の漏洩、商品等の盗難、危険物の持ち込みなどの発生を防止するための重要な業務です。
(3)その他
近年、我が国では、技術情報等の国外流出が懸念されており、これを防止するための仮称「スパイ 防止」法案の制定に向けた国会の動きも取りざたされています。
日本は、世界的なシェアを誇る独自の先端技術や他国に類を見ない独創的な研究によって生産された最先端の高性能製品等を、数多く有しています。こうした貴重な技術情報等は国内産業の国際競争力の重要な基盤であるとともに、使用方法によっては軍事用途に転用可能なものも含まれ、国際社会全体の平和と安全に重大な脅威を及ぼすことにもつながります。
このような観点から、国内企業の持つ技術情報等の管理にかかる事項は、技術情報等の不正流出防止に資するための大変重要な課題であることにもご配意を願います。
なお、ここに言う国内企業には、自社及び取引先企業も含むとの認識でありますが、各企業には、それぞれ会社の存立に関わる多くの情報があることに、平素の業務の中で十分留意して、適正な情報管理を徹底する必要があります。
3.おわりに
施設における出入り管理の具体的な方法等については、事例を交えて警備員教育時の講義で取り上げたいと思います。
本年最後の投稿となりましたが、皆様にはご家族様揃って、どうぞ良いお年をお迎えください。
担当:茶山顧問



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